週刊文春 4月18日号 見もの聞きもの

映画製作に挑戦した理由や「ふれんど」にこめた思いなど語っています。

※以下、一部引用

これまでの村上作品でもおなじみの、アニメ的な可愛いキャラクターが「ふれんど」として多数登場。このあたりは村上さんの得意分野だ。

「僕らが幼少のころに経験した『悪魔くん』『ウルトラマン』の世界観を現代に変換して呈示しました。ですから、子供だけじゃなく、僕と同年代の方が観ても、十分楽しんでいただけると思います。実写ではありますが、アニメ的な感性を持って作った作品です。

世界観として、僕の好きな『AKIRA』や『風の谷のナウシカ』があり、それらを自分なりに昇華した作品です。観る人によっては絶望的な状況ばかりと感じるかもしれないけれども、それでも生きる主人公に共感できるお話になったと思います」

作品は実写+CGで構成。実際に役者が演じた映像の上を、CGで作られたキャラクターたちが躍動する。千枚以上のCGカットを作るのには膨大な時間と労力が必要となり、進行も大幅に遅れるなど苦労は多かったようだ。

「映像の世界は編集、脚本、監督と業務がひとつひとつ細分化されている。最初はそういった製作過程から全体観を見渡せず、非常に苦労した。撮影の現場よりもその後のポストプロダクションがメインになった。編集も2年前に一度終わったのを最後までいじり倒した。その間にパート2も撮影し、内容改変にも着手した。特にCGと音楽で雰囲気が大分変わってくるのでそこで何度もトライアンドエラーを大勢のスタッフを巻き込んで繰り返させていただいた。共同作業でありつつも、僕の日頃制作している絵画や彫刻と同じく、極めて個人的なモノづくりの核心部分まで踏み込めたと思います」