2011/08/11

僕が映画、、、というか、アニメを作りたくなったのは高校3年の時に「銀河鉄道999」の劇場版を、池袋の東映系の映画館前に1週間寝泊まりして、お目当ての「セル画」をもらうために並び、初日の早朝上映で大いに泣いた体験による。上映中に何が何だか訳がわからなくなって、泣きじゃくって劇場を出てきた自分は、たぶん、相当に汗臭く、ボロボロのオタク前夜君だったと思う。けれども、遠い宇宙に夢を馳せ、現実に帰ってきた主人公、星野鉄郎と同じような体験をしたかの錯覚に浸れた体験は、「絵が動くことで超絶的な体験を創りだせる」という錯覚に変換されて心に沈殿し、固着した。

今、やっている現代美術作家という仕事は、そんな体験とは遥か彼方の別次元の仕事で芸術の文脈や歴史を一定のコンテクストでパズルの組み換えをプロフェッショナルに行い続ける、というもので、星野鉄郎の銀河の彼方のお話を語れているわけではない。故に、どうしても、何が何でも、アニメや映画で、あの体験と同じようなムーブを創り上げるクリエーションに近づこうと行動し続けてきた。しかし、何をどうやっても長編には手が届かず、短編を年に1本、作れるかどうかでとぐろを巻いていた。今回の「めめめのくらげ」の実写映画企画はそんなぐだぐだな状況に心棒を突っ立てるいい機会と思い、全くの門外漢の世界に突入することになった。

ちなみに、僕は「リリィ・シュシュのすべて」 や、「誰もしらない」が邦画では好きでその辺の雰囲気を西村さんや長野さんらと話し合ったりして、今、撮ってます。

夢にまで見た、田園の風景の撮影。軽トラに乗っかって。

パトカーがみまわりに来た「これ映画?TV?」 「いつ上映するの?」「どんな内容なの?」

録音監督の良井真一さん。 「いま飛行機通るんで待って」と微細な音でも聞き逃しません。スタッフとの毒舌密談がおもしろいです。

これ、ねてます。 室内温度 40℃

左、特殊造型(ヒゲメガネ)の石野大雅さん。 かつては西村さんの特殊造型の片腕で、今は独立された造型師。 西村映造のAP、吉田七々恵さん。

左から美術の小谷真沙美さん。 小道具の粕谷裕美さん通称「おでんちゃん」。 理由はリリー・フランキー描く「おでんくん」に似ているからとか。

弁当はいつも2択 さかなもしくは肉。

1日に60カットも撮りまくる西村喜廣さんの方程式。 演出の宮田さん、小坂さんと、休憩時に絵コンテを囲んで次のシーンへの作戦会議。 のんきに村上は昼寝中。

美術スタッフ 左から 野村哲也さん。 真ん中 小谷真沙美さん。 そして おでんちゃんさん。夜間撮影に突入!

2011/08/10

撮影3日目
睡眠とものづくり、、、の関係にいつも悩む。アーティストの活動時にはよく外国に行って、時差ぼけに苦しみ、美術館やギャラリーの床で「バタッ」と、突然寝てしまったりする。たまに、現地の朝、美術館に入って、夜の7時まで寝てて「なにやってんのあんた」って苦笑されたこともある。でも、寝ないともの造りなんてできないよ、て思う。アイディアを掴むコツは、その瞬間に出会える備えを行えるか否か。サーファーが波を待つように、ビックウェーヴをひたすら待てるのも、これ技術。 、、、と、思ってる。

僕はそもそも才能なんてない、と、諦めてる人間なんで、才能のある人々に囲まれてる状況に、そういう波に乗ることに腐心してる。そういう才能人って波乗りの天才みたいな人たちだから勘がよくって、なまなかなコンディションでは乗っかれない。 だから、ねる。脳みそをフレッシュにして、才能がフラッシュする瞬間を見逃さないそういう心構えをし続けるために、ねる。、、、で、映画の撮影が始まって、、、日本国内時差ボケが始まった。朝の4時半に起床して、撮影が終わるのが、午後の7~9時。眠い、、、で、撮影現場でねてしまいました。

すみません。西村さん、塩ちゃんさん。長い言い訳の文章を書いてしまいました、、、。。。(でも、本気の部分は本気です)

第1回目のエキストラ撮影。
炎天下の中、みなさん!ありがとうございました。

さっそくSTAFF Tを着る、衣装の助手 森下泰雅さん。
柚木一樹さんの事務所の新人さんです。

撮影現場でのモニターチェック。とにかく暑い!! 撮影技術の松本学さんが、足をギャツビーの 濡れティッシュでふいて汗をとっていた。 「冷えるんですよぉ~」

撮影技術の(ギャツビー)松本学さん。

2011/08/09

撮影2日目。
暑い!暑い!暑い!すごい暑さ。体験したことがない暑さ。映画を撮るということは、その環境をパッケージして撮るということ。だから、音も、光も、なにもかもオーガナイズせねばならない。特に音は問題だ。空気の流れをつくるエアコンや扇風機のファンの音などもってのほか。、、、ということは、暑い場では暑いまま。そして、今時の機材は全部電化。1つ1つが熱を持ってます。そして1人1人も熱をもってます。そしてファンがない。暑いのです。汗がぎゅうぎゅう絞られる感じ。

音声さん、照明さん、映像の技師さん、ヘアスタイルさん。そして西村さんや僕が「ベース」と呼ばれる、モニターのある場に固まる。もちろん、「ベース」だけではない。撮影の現場ももっと暑い。役者さんや演出さん、もうスタッフ皆が暑いのに文句も言わず 黙々とよりよい絵を撮ることに集中してゆく。 それが映画を撮るってことなんだなぁ~と、思った。

photo Murakami
現場にツバメの巣発見。 この次の日、元気なツバメは巣立ちました。

photo Murakami
ステディカム カメラ。
僕らの世代だとサム・ライミの『死霊のはらわた』とかで記憶してます。まさか、『めめめ』でも使われるとは・・・。。。感動!!

この日、STAFF T-shirtsが配られました。