2011/09/08

昨日はキャストさんたちとのクランクアップでしたが、今日は撮りこぼした実景部分の撮影の日。本日こそが本当のクランクアップの日でした。

photo Murakami
この日記も塩崎助監督チーフに叱咤激励されて続けることが出来ました。
ありがとうございました。

photo Jun Shiozaki
「天空!」、、、は嘘。塩崎さんの演出。みんな空見て!、、、と。
長野さん、下田さんらだけガチ。

photo Yuji Saito
演出部の皆さんと。塩崎チーフと塩崎水産。

photo Murakami
あんなに暑かった日々も過ぎ去って、季節は秋の気配です。

photo Murakami
そこかしこに、様々なきのこが生えてきています。

photo Jun Shiozaki
実景ラスト。主人公からの主観シーン。

photo Murakami
長野さん!身を乗り出して撮ってゆきます。
、、、と、いうことで、本日、実景撮影を終え、本当のクランクアップとなりました。

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『めめめのくらげ』全シーン撮影:クランクアップ。
西村さん!スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。

『めめめのくらげ』で語りたいことはなにか?
改めて考えました。

それは、、、

2011年以降、このボロボロな日本に住み暮らす子供たちが苦難に満ちた人生を生き抜き、世の中と接し、打開して生き抜く勇気を持てるきっかけを発見できるような作品。日本の欺瞞を暴き、勇気を持つことの意味を語りたいと思ってます。

震災以前の日本は、曖昧な閉塞感と、その中での無責任な人身の教育において、子供たちはおかしな方向に育ち、その子供たちが大人になって子供を持つような時代に突入していました。震災以降も本当は何も変わっていないのかもしれないが、でも多くの人々が日本に住み暮らす時に持たねばならない欺瞞に気がついて、その払拭に着手する行動を起こさねば、と身を固くしているはずです。

原発の事故とその情報隠蔽を日本政府が行うさまは、戦時中の日本政府大本営発表の茶番と何も変わっていません。そして、外圧でなければ自力で変化を創造できない様も歴史は繰り返される、を、ぼんやり実践しているにすぎない様にも見えます。
(カイカイキキでは「本日の放射能」というブログを運営しています。ご参考までに。http://ameblo.jp/dailykk/

現在の原発事業がおかしいと思っても、それを止められないのと同じく、ゆとり教育の弊害が見えた現状を憂いても、方向性を根本から問いただし、軌道修正に着手することはしません。

しかし、今、生きている、洗脳されてしまう前の子供達ひとりひとりは気がついているはずです。自分たちがなにかおかしな状況にいることを。

僕自身、ガキだったころ、ベトナム戦争や日米安保条約における学生紛争、沖縄返還報道や公害問題に触れ、どこか、何かがおかしいと思っていた。その不信感、どうやって自分を重ねあわせて、あの時代、この状況と抗っていけばいいのかということをファンタジーの世界に翻訳して咀嚼していた気がします。それが、『ウルトラマン』だったり、『あしたのジョー』や『ゴジラ』だったり、『銀河鉄道999』だったり。

だから、今、僕は現代日本人の子供たちに向けたファンタジーを創る意味を強く感じる。

ファンタジーに芸術的な理念、希望、匠をぶち込み、彼らの心にピュアに訴えかけ得る正義の心のメッセージが必要だと思うのです。

現代の日本を舞台に、子供達を主人公にした、ファンタジーをつくることで、苦難の世界に産まれてきた彼らが、未来に向かって、生きてゆく激しい情熱を燃やして、この世を変えてやるんだ!というような、肩をいからせて、大人を喝破して行けるようなそんなきっかけづくりが可能な作品が出来れば!と、そういう野心をもってこの作品をつくっています。

撮影スタッフの方たちには、本当にお世話になりました。ありがとうございました。そして、編集、ポストプロダクションのスタッフの方々、これからが正念場です。改めまして、どうぞ、よろしくお願い致します。

そんな僕の気概が空回りにおわるのか、それともこの執念、しっかり固着して、観客のみなさんに伝わることができるのか、それは神のみぞ知る世界です。この作品に運があれば、神様はどっかで舞い降りる。運がなければ流れてしまうしかない。

今まで自分がアーティストとしてキャリアを積んできた20年間、作品が生まれる瞬間というのは、そのようなものでした。つまり、<運>任せ。なのでこの作品に幸あれと、今、改めて願いつつ、クランクアップを無事に終了できたことを祝福したいと思います。

神様:無事故でのクランクアップ、本当にありがとうございました。

また、今回はロケ現場での撮影コンディション、天気において、いろんな問題があったにもかかわらず、スケジュール内に、全シーンを撮り終えられたのも、台湾の風水の先生、YU先生における、その神通力のおかげでもあると思っています。何度も雨雲を飛ばして頂き、天気を確保してくれて、撮り切ることができたことを感謝したいと思います。

こういうことを聞けば、 皆、僕が頭がおかしくなったんじゃないかと思うかもしれないのですが、今回の震災をみてもわかるように、自然とは人智を越えたところで動いています。 僕らも自然の一部であるなら、雲や水の流れと同じように、自然の中で生きる動物であるのなら、その流れを知って然るべき存在であるはずなのに近代文明において、「科学」という信心で全てを網羅し、人間が動物であった日々の大事な要素であったであろう「勘」の部分を滅却させてしまった。自然を感知できないようにしてしまった。それを僕ら自身が選択してしまった、と思うのです。

だから、僕らには自然を感知可能な隣人が必要です。芸術家、宗教家、哲学者達。そういった一見、世の中の役に立たないような人達が、現代の社会では最も必要とされているとおもう。

つまり、「勘」を頼りに生き抜く力が欲されているのです。

そんな中で日本の文化には馴染みの無い、「風水」という中華圏でのリアリティを持つ、そういった先生にお会いできて、このようなかたちで撮影を終えられたことにも感謝したい。

YU先生、江さん、天気や交通事故の件では本当に色々とありがとうございました。

そんな感じで、撮影は終わりましたが、制作は終わっていません。
引き続き、この制作日記を綴ってゆきます。

お楽しみに。

村上隆


2011/09/07

いよいよ、キャストのクランクアップ当日。
朝からいつもと違った空気が流れます。安堵とともに、疲れた気持ち。
そして、脱落しなかった(村上病欠など)なかった、という誇り。
みな、今日1日で終わるというゴールに向かってテンションは上がります。

田圃道でクレーンを使った撮影。

まさに、映画的です。

スーツアクション後、氷で冷やしきったタオルでのねぎらいは最高のご褒美!

直前にあれこれあってのロケ地変更。
神様はあの!森高千里の「渡良瀬橋」の世界へと誘ってくれています。
http://bit.ly/pRbmi1
歌詞の中にある「八雲神社」でのロケ。本当に夕日が綺麗な街でした。(涙、、、)

この日は「めめめ」のスタッフTシャツ着用の方が多く最終日をセレブレーションしてくださってました。

デモ田中さんのメイキングも今日が最後(でも無いのか、、、)
僕のロケかばんの中身をチェックされました。初日に皆の持ってるロケかばんを見て、真似した購入したものですから歴史は1ヶ月しかありません。

西村さん、宮田さん。最後の粘りの演出。主人公の力を信じ、何度もテイクを重ねてゆきます。

僕もついついそんな現場に感化されて、役者さんにオーバーな演技を要求。
「えええ?そ、それはわざとらしいのではないか?あまりにも!」
と、皆笑ってますが、僕はそういったわざとらしさがこの作品の肝だとおもい、 このシーンにその真骨頂を爆発させたいと思いました。

初日と同じように、クランクアップを祝う、お弁当ののし紙。
こういう気持ち、嬉しいです。気が利いてます。

演出部、助監督サードの岸田さんのものすごい過去話しを聞いて、僕はショックを受けたと同時に、そのドラマが別の実写映画企画のワンシーンに組み込まれて行き、お話が回り始めました。

八雲神社のやぶ蚊は半端ない。今回のロケで、私の足は蚊や、ぶよ、アブに刺されまくってボロボロでした。

いつも冷え切った麦茶等を準備し続けてくれた制作部さんたち。
ありがとうございました。

ほんのちょっとしたシーンでも、フルスケールで機材、人間が動く。
それが映画芸術の現場だと思い知りました。

車両部の越智誠志さん。 こうして、現場を常に整備し続けて下さり、ロケ地での心象にも気配りをし続けます。

撮影にも最後の粘りが!
ヒロインを美しく!感動的に見せたい!
そういう思いが、時間のない中でもほとばしり、現場に激が飛び交います。

スタイリストの大隅麻奈美さん。
信者の真似をしたポーズ。おつかれでした!

そして、クランクアップ。
お疲れ様でした。

八雲神社の駐車場に円陣になって、、、

かんぱぁ~い!

カメラマン、長野さん。
休みなく現場を駆け抜けてくださって、ありがとうございました!!
本当はキャストの皆さんの奮闘ぶりもレポートすれば良かったかもしれませんが、作品は来年に公開。それまでの間、彼らの勇姿はしばしお待ちを。

2011/09/06

明日がいよいよクランクアップ!今日は足利に来ています。
森高千里の「渡良瀬橋」の舞台の街。古い街で風景は情調があって最高!

街の温泉銭湯の前に集合!東京から2時間です。

古い路地での特殊撮影。

メイキングのデモ田中さんも撮影のど真ん中で撮ってます。

庵野秀明的な電柱も。
『めめめのくらげ』では電柱がテーマガジェットの一つです。

ほんと、30年前の日本が残っています、ココ。

チャリンコアクションのテスト。

交通整理も路地が多すぎて一方通行も多すぎて制作さんが交通整理にてんてこ舞いです。

車にカメラをセットして、低い位置からアクション撮影。

「座・ボーズヘッド」

シーン転じて山奥へ。機材運びが一苦労!みんなで運べ!

廃材置き場。ガチでイノシシがいました。
もののけ姫的なでかい奴が道路を横断してたりして。
ココはイノシシの楽園のようです。

photo Murakami
で、でかい!毒キノコ?

コレクターの小松原敬之さんが地元の御寺の住職つながりで情報を聞きつけて、ロケ地までやってきてしまった。
、、、どうせだったら、モブシーンに出て欲しかったなぁ~。

その小松原敬之先生はお医者さん。
彼からもらった、アブ、ブヨの刺された後にとの特効薬、、、とか。

これは、アブ?ぶよ?とにかく、刺されると痛い!

台湾のコレクター、グレッグ・リュウさんも陣中見舞いにやってきた。
今日は来客が多いなあ。

グレッグさんのくれたシュークリーム。

、、、で、不法投棄場の撮影は終了。
戦い済んで日がくれて。でも、メインスタッフはここからもうひと仕事。
明日の撮影ロケハンに。緊急事態です。撮影予定地が飛んでしまった!

photo Murakami
龍の巣が見えます。
ロケハンの場所より。

photo Murakami
八雲神社の公園。
明日のロケ地が決まりました!
明日はクランクアップ日。